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TeXを使いたい(その2)

理系といえばTeXです。
TeXが使えない理系はあいさつができない人間と同じです。

MathJax

MathJaxというツールがあります。

一つ前の記事で、TeXを使うには

[tex:\displaystyle F(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}}\int_{-\infty}^{\infty}\exp{\left\{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\right\}}\ \mathrm{d}x]

のように記述すれば良いという話をしました。

出力はこのようになります。
\displaystyle F(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}}\int_{-\infty}^{\infty}\exp{\left\{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\right\}}\ \mathrm{d}x
簡単です。

ただ、こちらよりもMathJaxのほうがスタンダートだということを知りました。
導入したくなります。

導入

「管理」→「デザイン」→「カスタマイズ」→「ヘッダ」→「タイトル下」
に以下を追加するだけです。

<script type="text/javascript"
  src="http://cdn.mathjax.org/mathjax/1.1-latest/MathJax.js?config=TeX-AMS-MML_HTMLorMML"
></script>

簡単です。

テスト

使ってみましょう。次のように書きます。

平均\(\mu\)、分散\(\sigma^2\)の正規分布の累積確率分布関数\(F(x)\)は、
\[F(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}}\int_{-\infty}^{\infty}\exp{\left\{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\right\}}\ \mathrm{d}x\]
で与えられる。

次のように出力されます。

平均\(\mu\)、分散\(\sigma^2\)の正規分布の累積確率分布関数\(F(x)\)は、
\[F(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma^2}}\int_{-\infty}^{\infty}\exp{\left\{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\right\}}\ \mathrm{d}x\]
で与えられる。

簡単です。

インライン数式だけ、通常は$$で囲む部分を\( \)で囲むということが変わるだけです。

せっかくなので$で囲んでも使えるようにしましょう。
次のように追加します。

<script type="text/x-mathjax-config">
  MathJax.Hub.Config({ tex2jax: { inlineMath: [['$','$'], ["\\(","\\)"]] } });
</script>

試してみましょう。

平均$\mu$、分散$\sigma^2$の正規分布の累積確率分布関数$F(x)$は、
・・・(以下略)

次のように出力されます。

平均$\mu$、分散$\sigma^2$の正規分布の累積確率分布関数$F(x)$は、
・・・(以下略)

TeXで文書を書くのと同じ気持ちでブログが書けます。
数式を使う研究科に入院したかった。


その他にもいくつか機能があります。

eqnarray環境を使いたい

平方完成をします。
\begin{eqnarray}
f(x) 
&=& ax^2+bx+c \\
&=& a\left(x^2+2\cdot \frac{b}{2a}x+\frac{b^2}{4a^2}\right)-\frac{b^2}{4a}+c \\
&=& a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}
\end{eqnarray}


出力

平方完成をします。
\begin{eqnarray}
f(x) &=& ax^2+bx+c \\
&=& a\left(x^2+2\cdot \frac{b}{2a}x+\frac{b^2}{4a^2}\right)-\frac{b^2}{4a}+c \\
&=& a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}
\end{eqnarray}

eqnarray環境は光。

数式番号を追加したい

運動方程式は
\[
    m\mathbf{a} = \mathbf{F} 
    \tag{3}
\]


出力

運動方程式
\[
m\mathbf{a} = \mathbf{F}
\tag{3}
\]

式番号の自動生成にはまだ対応していない様子。
あとboldmath環境は使えないみたい。
ベクトルはローマンの太字を使うことにしましょう。

マクロを追加したい

工学部なので微分のdはローマンにしないと消されてしまいます。
でも毎回mathrm{d}と入力するのは大変です。
マクロを追加しましょう。

$$
    \newcommand\diff{{\mathrm d}}
$$

\[
    \frac{\diff f}{\diff x} = \lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}
\]


出力

$$
\newcommand\diff{{\mathrm d}}
$$

\[
\frac{\diff f}{\diff x} = \lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}
\]

良いところ

  • TeXと同じ気持ちで数式が書ける。
  • 画像でないので、コピーが楽。
  • 正規分布の様子を見ると、積分がこちらのほうが綺麗。
  • マクロが追加できる。

悪いところ

  • iPhoneでは見られない。
  • ロードに少し時間がかかる。

iPhoneで見られない問題は対応してもらいたいところです。

感想

TeXを使った内容の記事を書くことは少ないから、あまり使う機会はなさそう。