一眼動画で音声にこだわるには
動画作りました
白黒ネガフィルムの自家現像をした動画を作りました。
www.youtube.com
作業の中身については、多分このブログでいつか補足します(たぶん)。
一方で、動画の編集というか録画そのものがとても大変で、Youtuberは本当にすごいなという気持ちになりました(小並感)。
またその際に動画に音声を乗せる方法を少し調べたので、忘備録として書いておきます。
動画への音声の入れ方
カメラ内蔵マイク
https://www.nikon-image.com/products/slr/lineup/d800d800e/system_name.html
- メリット
- 接続方式としてはノイズが少ない
- 他のマイク、レコーダー等機材が不要
- デメリット
- AF駆動の音が乗りやすい(特にコントラストAFの一眼レフ)
- 指向性がない
一眼レフ、ミラーレスに限らず、スマホでも音声付きの動画が当然のように撮れます。
マイクはインターフェースを介さず基盤に直結しているので、接続や伝送のノイズはほとんどありません。
ただ欠点が無指向で、カメラに近いこと。
最近のミラーレスではかなり低減されていますがAFの駆動音や、絞りの駆動音、ボタンを操作する音、撮影者の声や呼吸、
そういったものがかなり入りやすくなってしまいます。
また動画専用のビデオカメラと違い、良くてステレオ、さらに無指向のものが殆どで、音場の再現性は諦めたほうが良いです。
(ビデオカメラは最近では5.1chが殆どですね)
外部マイクを直入力
- メリット
- マイクを自由に選べ、音質・指向性・配置にこだわれる
- 下記の別撮りに比べて編集が楽
- デメリット
- 別途マイクが必要(コスト)
- 接続方法によっては多少のノイズが出る(後述:記事内リンク)
このタイプを最近良く見ます。
内蔵のショボマイクに比べて、遥かに音像の再現性や解像度は上がります。
さらに「比較的安い外付けマイクを買うだけで、かなり良い目の音が撮れる」というのはとてもコスパが良いと思います。
しかし、殆どの外付けマイクでは一定のところで耐ノイズの限界が来ます。
その律速は、カメラ内部のプリアンプによるノイズです。
- オーディオ用のポータブルアンプ
- プリアンプ内蔵のXLRアダプター
などで信号を増幅し、カメラのプリアンプをできるだけ使わないようにすることで、圧倒的に音質を改善することができます。
ポータブルアンプ
FiiO K3 ブラック USB DAC/アンプ USB Type-C端子採用/AK4452 DACチップ搭載/DSDネイティブ再生対応
- 出版社/メーカー: Fiio
- 発売日: 2019/01/24
- メディア: エレクトロニクス
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プリアンプ内蔵のXLRアダプター
パナソニック XLRマイクロホンアダプター ルミックス DMW-XLR1
- 出版社/メーカー: パナソニック(Panasonic)
- 発売日: 2017/03/23
- メディア: Camera
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- 出版社/メーカー: ソニー(SONY)
- 発売日: 2012/10/26
- メディア: エレクトロニクス
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良いマイクを買ったはいいが、更に高品質を考えるとどうしたらいいのかわからず、あれこれ試行錯誤しているブログがインターネットには多い印象です。
音声別録り
https://panproduct.com/blog/?p=87015
- メリット
- 音質がレコーダー律速になり、品質としては最高
- デメリット
- 編集(映像との同期)がめんどい
- 音声レコーダの録音開始忘れ等、オペレーションの弱さ
最強のやつです。
餅は餅屋、ではないですが、音声を録るならやはり音声レコーダー、
特に、いわゆるリニアPCM(Pulse Code Modulation)レコーダーという、wavで撮れるレコーダーが最強です。
マイク内蔵のみのハンディタイプと、XLRで外部マイクをつなぐ前提のタイプ(これはフィールドレコーダーと呼ぶかな)があります。
マイクの品質、ノイズ耐性で優位なだけでなく、通常カメラ内ではmp3/aacで圧縮されてしまうのに対して無圧縮録音が可能で、理論的にも音質は最強です。
ただし、機器が増えることで、音声マンがいることを前提にしたオペレーションになると思います。
上記の画像のように、ホットシューにつけて運用、という手もありますが、わざわざレコーダーを使うのであれば下の絵のような運用になるのではないでしょうか。
そしてこのレベルになると、状況に応じて最適なマイクとその配置を決める必要があり、専門の知識と経験が必須です。
沼を感じますね。。。
ハンディタイプ
TASCAM リニアPCMレコーダー DR-05VER2-JJ
- 出版社/メーカー: TASCAM
- 発売日: 2016/11/12
- メディア: エレクトロニクス
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フィールドレコーダー
TASCAM リニアPCMレコーダー デジタル一眼レフカメラ用 DR-70D
- 出版社/メーカー: TASCAM
- 発売日: 2014/11/28
- メディア: エレクトロニクス
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マイクの種類(接続方式)
XLR(キャノン)
https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=2A28-6HLB
バランス接続で、通常の信号と逆相の信号を同時に流して、受け手で反転させて加算することで、ノイズのみを消すことができます。主に長距離伝送で効果が出てきます。
通常はこのキャノン端子ですが、オーディオ業界、とくにポータブルオーディオの世界ではΦ2.5の""バランス""端子が使われているようですね。
原理と目的は全く別のようですが。
TRSミニ(Φ3.5ステレオミニジャック)
https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=EEHD-05R3
よくあるイヤホン用ジャックです。
1本のピンにステレオなら3つの接点を詰め込んでいて、かなり小型ですがノイズや接触不良に弱い。
そしてマイク用のジャックはプラグインパワーで電源も常時流しっぱなしにしているので、突き詰めていくと音質的には望ましくない。
(普通に使う分にはそう困らない+サイズ&コストのメリットが大きい)
ノイズ対策
「音質」とはなにか
「音質」という表現は非常に幅が広くて曖昧なのですが、
この記事では「音の解像度と再現性」を指すことにします。
ノイズの量、音場の再現性は「音質」とは呼ばないようにします。
もちろんノイズも音質の一つなのですが、
マイクの性能でノイズが乗っているのか、
接続・設定が悪いからノイズが乗っているのか、
高級マイク=音質がいい=ノイズが少ない動画が取れるのか、
みたいなところがごっちゃになるので、ここでは分けています。
個人的には瀬戸弘司が高級マイクを買ったのにステレオミニでつないでノイズが多いとか言ってて悲しくなったから、ということもあります。
また音の解像度を低下させる要因は主に3つあって、
- マイクの特性
- 信号処理・伝達
- 圧縮
です。
ただ、一眼動画の範疇ですと、音質そのものはマイクの特性で決まることが多いかと思います。
ゲインが適正でないため潰れたり、ノイズが多すぎて音質がどうとかいう話ではなくなってしまう場合が多いのではという個人的な感想です。
そして、マイクの周波数特性がどうとかいう話になってくると大変なのでここでは扱いません。
何がノイズを発生させるのか
もう何度も書いていますが、一眼動画に関して言うと、ほとんどがカメラ内部プリアンプが原因です。
いくらマイクそのものを良くしても、構造的に不利なプラグインパワーのステレオミニでつなぎ、内蔵プリアンプを通せば、ノイズは増幅されてしまいます。
次いで、電源周りのノイズが影響してきたり、バランス接続をすることで伝送ノイズを減らしたり、高感度マイクを使うことでゲインを下げられるという話もありますが、上記に比べたら軽微です。
対策
- 内蔵プリアンプの性能が良いカメラを使う
- スペックに謳われていないので実機比較するしかない
- 内蔵プリアンプを使わない or そこでゲインを上げすぎない
- 外部プリアンプを使う
- 外部レコーダを使う
- XLR接続を使う(ケーブルが長い場合)
- 長距離伝送の場合
以上です。